森林経営・原材料調達に関わる責任方針とマネジメント

理念と基本方針に基づいて環境と社会に配慮した持続可能な原材料調達を実践しています。

基本的な考え方

木質資源を持続可能なかたちで安定的に調達していきます

紙・パルプの主要原材料は、木材チップやリサイクル原料である古紙です。それらの調達には国内外のサプライヤーだけでなく、地域社会や行政機関を含めた多くの人が関与します。こうした社会や環境との関わりをふまえて、サプライヤーとともに産地の森林生態系や地域社会、労働安全衛生などに配慮しながら持続可能なサプライチェーンを確立していくことが重要です。
日本製紙グループは、再生可能な木質資源を持続的に調達できる体制・仕組みを構築し実践しています。

理念と基本方針

サプライチェーン・マネジメントを重視して原材料を調達しています

日本製紙グループは、2005年に「原材料調達に関する理念と基本方針」を制定しました。この理念と方針に基づき、サプライチェーン・マネジメントを通じて、環境・社会に配慮した持続可能な原材料調達を実施しています。また、ステークホルダーとの対話を推進し、常に環境と社会に配慮した原材料調達のレベル向上を図っています。

原材料調達に関する理念と基本方針
(2005年10月5日制定)

理念

私たちは、環境と社会に配慮したグローバル・サプライチェーン・マネジメントを通じ、信頼される原材料調達体制の構築を目指します。

基本方針

  1. 1.環境に配慮した原材料調達
    1. (1)木質資源は、持続可能な森林経営が行われている森林から調達します。
    2. (2)違法伐採材は使用・取引しないとともに、違法伐採の撲滅を支援します。
    3. (3)循環型社会を目指し、リサイクル原料を積極的に活用します。
    4. (4)化学物質については、関連法規等を遵守し適正な調達を行います。
    5. (5)トレーサビリティ・システムを構築し、サプライチェーン全体で上記項目が実践されていることを確認します。
  2. 2.社会に配慮した原材料調達
    1. (1)サプライヤーとの公平かつ公正な取引を追求します。
    2. (2)サプライチェーン全体で、人権・労働への配慮を実践していきます。
  3. 3.ステークホルダーとの対話の推進
    1. (1)ステークホルダーとの対話を通じ、常に環境と社会に配慮した原材料調達のレベル向上を目指します。
    2. (2)当社の取り組みを広く知ってもらうために、積極的な情報開示を行います。

持続可能な森林経営

適切な計画と管理を実践しています

持続可能な森林経営とは、経済的な持続性はもとより、環境・社会面の持続性に対する配慮も意味します。日本製紙グループでは次のように定義しています。

  1. 1)生物多様性の保全がなされていること
  2. 2)森林生態系の生産力および健全性が維持されていること
  3. 3)土壌および水資源が保全されていること
  4. 4)多面的な社会の要望に対応していること

持続可能な森林経営を実践する上で重要となるのは、適切な計画と管理です。木を育てるには長い年月が必要です。植林および伐採をする面積、木の生長する速度、周辺環境や社会への影響など、さまざまな条件を加味した計画が不可欠です。また、水辺林の保全などランドスケープも考慮する必要があります。日本製紙グループは、これまで培ってきた経験をもとに、適切な計画と管理を進めています。

原材料調達マネジメントの推進体制

グループ全体の原材料調達を統括しています

日本製紙グループでは、日本製紙(株)の原材料本部長を委員長とする日本製紙グループ原材料委員会を設置して、原材料の調達方針などグループ全体の原材料調達に関する重要事項を審議しています。