ステークホルダーとの対話サプライヤーとの対話
持続可能な原材料調達について
日本製紙グループの調達担当者が、日本製紙(株)の東北地区工場の国産材チップサプライヤーである(有)二和木材を訪問。同社の小笠原社長から、事業の継続のために重要な生物多様性、安全衛生、地域との共生に関わる取り組みについてお話を伺いました。
(インタビュアー:日本製紙木材(株)石井 謙次、木幡 祥宏)
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小笠原 清貴氏
(有)二和木材
代表取締役社長商号 有限会社 二和木材
所在地 岩手県滝沢市
主要事業 森林経営、製材加工、木材チップ加工
日本製紙(株)との関わり
1973年以来、日本製紙(株)が木材チップを継続して購入
小笠原社長(左)と日本製紙木材(株)石井(中央)、木幡(右)
――事業の持続性に必要なことは何でしょうか。
小笠原 安定的な取引です。安定した取引ができることで、さまざまな不確実性に基づく営業コストを圧縮でき、経営の効率化が図れます。その分、環境に配慮した森林管理にコストをかけることができます。
――環境面の取り組みと、そのなかでの日本製紙の影響を教えてください。
小笠原 当地域においては他社に先駆けてSGECの森林認証を取得しており、施業の際は、社内基準に基づく土壌の保護、渓畔林の保全、域内の生態のモニタリング活動などを通じて生物多様性の維持に努めています。伐採前の希少種チェックも、チェックリストを用いて実施しています。また、CoC認証も取得して、認証材の流通体制も整えています。SGECの認証取得にあたっては課題もありましたが、日本製紙から、森林認証を取得された時の経験を活かしたアドバイスをいただきました。
――安全衛生面では日本製紙の影響はありますか。
小笠原 他の地域での取り組みについて日本製紙と情報共有し、積極的に意見交換することで、弊社内の安全意識を改めて喚起しています。また、施業中に何らかの問題が発生した際には、一緒になって解決を目指すというスタンスで、懇切に指導していただいています。
――雇用についてどのようにお考えですか。
小笠原 まず、日本製紙との安定的な取引を継続することで経営の効率化を図ります。そこで従業員へ還元する原資を得て待遇の改善につなげ、雇用の安定化を促進していきたいと考えています。
――地域と共生するための取り組みはいかがでしょうか。
小笠原 見学、インターンシップを受け入れることで、子どもの頃から地域の皆さまに林業・木材産業を理解していただき、木を伐ることは自然破壊になっていないことを正しく認識していただくようにしています。
――日本製紙に期待する役割をお聞かせ願います。
小笠原 日本製紙と取引をしていることが、地元で働いている人の励みになっています。木のカスケード利用も日本製紙が受け入れていただけるからできています。
当東北・北関東地域における木材チップ業界若手による集まりである東北木友会青年部会※では、そうした日本製紙とのご縁に感謝し、工場の見学などを通じて自分たちのいわば「背骨」を確認しています。東日本大震災を経験するなかで、日本製紙の石巻工場が想像をはるかに超えるスピードで復興を成し遂げ、当地域での日本製紙の重要性を強く再認識しました。これからも地域と森林の持続性のために、力添えと安定的取引の継続をお願いします。