ニュースリリースCNF強化樹脂「cellenpia®PLAS (セレンピア®プラス)」の 3Dプリンター用途サンプル提供を開始

日本製紙株式会社

日本製紙株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:野沢徹、以下「当社」)は、PBF(Powder Bed Fusion/粉末床溶融結合)方式(注1)の3Dプリンター用CNF強化樹脂を富士革新素材研究所の実証設備で開発し、サンプル提供を開始しました。PBF方式の3Dプリンターは、世界で市場が拡大している3Dプリンターの中でも、高強度の成型品ができる、生産性やカスタマイズ性に優れる、多種の材料が使用できる、などの特徴により需要が伸びています。今回開発した3Dプリンター用のCNF強化樹脂「cellenpia®PLAS (セレンピア®プラス)」は、CNF強化PA6をベースとしています。現行のPA6系の主流材料の一つであるガラスビーズ入りPA6に比べ、成型品が均一、軽量、リサイクル性が高いなどの特徴があるため、古い金型を廃棄した自動車部品、微調整が必要な各種補装具など、大量生産ではなくオーダーメイド的な成型品への利用が期待されます。

なお、当社では石巻工場でTEMPO酸化CNF(注2)を産業用途全般向けに、江津工場でカルボキシメチル化CNF(CM化CNF)(注3)を食品・化粧品用途向けに、それぞれビジネスベースで生産し、全国で販売しています。また、富士工場においては、CNF強化樹脂「cellenpia®PLAS (セレンピア®プラス)」を実証生産中でヤマハ発動機と連携して部品開発を行うとともに、各ユーザーへのサンプル提供を実施中であり(注4)、昨年11月より、CNF配合天然ゴムである「Cellenpia®ELAS (セレンピア®エラス) 」のサンプル供給体制も整えました(注5)。また、本年4月より、可搬・可調整式製造機によるミクロフィブリル化セルロース(MFC)(注6)を開発、サンプル提供を開始、さらにはTEMPO酸化CNFの粉体品であるTD-02X(注7)をラインアップに追加することで、「セレンピア®シリーズ」のさらなる拡販を目指します。日本製紙は、「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」として、新素材・CNFの市場創出を加速し、減プラスチックの構築や地球温暖化対策に貢献していきます。

(注1)PBF方式とは、プリンター内に予備加熱槽と成形槽があり、予備加熱層に成形用粉体材料を入れて加熱しておき、スクレバーで0.1~0.3mmづつ成形槽に流し込み、レーザー照射により材料を溶融させ、これを繰り返して成型する方法。

(注2)セルロース(原料パルプ)をTEMPO触媒によって酸化し、軽微な解繊によって製造したCNF。繊維幅約3nmの非常に細いCNF

(注3)セルロース(原料パルプ)をカルボキシメチル化(CM化)し、軽微な解繊によって製造したCNF。繊維幅数nm~数十nmのCNF https://www.nipponpapergroup.com/products/cnf/ 

(注4) 日本製紙ニュースリリース「ヤマハ発動機とCNF強化樹脂の用途開発に関する連携を開始」https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2022/news221116005347.html

(注5)日本製紙ニュースリリース「CNF配合天然ゴムcellenpia ElasTM(セレンピアエラスTM)サンプル提供開始」https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2022/news221205005358.html 

(注6)日本製紙ニュースリリース「可搬・可調整式製造機によるミクロフィブリル化セルロース(MFC)を 開発、サンプル提供を開始 https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2023/news230420005446.html

(注7)日本製紙ニュースリリース「TEMPO酸化CNFの粉体品「cellenpia(セレンピア)®TD-02X」を開発、サンプル提供を開始」https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2023/news230427005448.html



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